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Zappos最終回~カルチャーとビジネスモデルのマッチ~

前回のブログでは、生田氏による自己分析セミナーの様子をまとめました。

 

偶然にも、生田氏が弊社のブログで触れたことのあるZappos のカルチャーについて話されていたので、今回はZappos第三弾(最終回)として、生田氏のセミナーで得た内容を取り入れながら、分析をしていこうと思います。

 

生田氏は、今の時代「ビジネスモデルと会社のカルチャーがマッチしている会社ほど伸びている」と指摘していました。生田氏はアイデンティティーに関する独自の理論で、数々の企業のアイデンティティー発見を手助けし、それぞれのビジネスモデルにマッチングさせ、成功させてきました。

 

生田氏は、ビジネスモデルとカルチャーがマッチし、また強いカルチャー作りを実践している例として、Zapposを挙げていました。また、今回のSF訪問の前にラスベガスにあるオフィスを直接出向いて見学してきたそうです。

 

では、Zapposのカルチャーは、どのようにしてビジネスモデルとマッチし、機能しているのでしょうか?

 

Zapposのビジネスモデルとは?

 

オンラインで靴と服を売るZapposは、ビジネスモデルの最大の強みとして「カスタマーサービス」をあげています。

 

Zapposの細かいサービスを挙げると

「無料配達」

「即日配達」

「無料返品」

「サプライズで花束を贈る」

などがありますが、やはり特筆すべきは

「コールセンターの質」

です。

 

CEOのトニー氏も自身の本で公言しているほど、コールセンターによるカスタマーサービスを会社第一の優先事項としています。そして、カスタマーサービスがZapposのビジネスモデルの柱となり、他社との差別化を可能にしている要素になっています。

 

「Zapposっていうカスタマーサービスが徹底している会社があるらしい」

 

「社員がすごく面白い会社があるらしい」 

 

一見単純に見えますが、この感情に訴える「WOW」の感覚の部分は、ビジネスにおいて人がものを買うことになる大きなモチベーションになり、口コミの広がりは想像するよりも爆発的だと、トニー氏も自身の本で書いています。

 

ここでZappos第一弾にも書いたZapposのビジネスモデルを振り返ってみると、

 

社員の幸せ(カルチャーの共有)→顧客の幸せ→会社の利益

 

なので、社員と顧客が直接対話をすることができるカスタマーサービスが、社員の幸せ→顧客の幸せ をつなぐパイプの役割を果たし、Zapposの社員の幸せを内側から外側に伝染させていこう、という戦略です。

その結果、なんだか陽気で幸せそうな人たちが働いている、Zapposにどんどん人が集まってくる図式なっています。

 

カスタマーサービスの徹底

 

Zapposのカスタマーサービスに関する有名な話があります。

 

カルチャー重視の採用試験を終えた後、「全新入社員」が、所属する部署に関係なく、一か月間カスタマーコールセンターの有給研修をさせられます。そして一か月間の研修トレーニングのあと、

 

「研修お疲れ様。現時点で、会社に残りたくないなら、2000ドルをオファーするから去ってくれ」と告げます。

 

つまり、Zapposの最大優先事項であるカスタマーサービスを、心の底から楽しんでやれない社員は、お金を払ってでも手放したい、というZapposの強い意志表示をするのです。

また、本当に価値観を共有できる人材を獲得するためには、一時的な出費は恐れないという、長期的経営方針が伺えます。

 

このような工夫により、

「目先の名声や成功にとらわれ、Zapposのカルチャーを理解していない人材」

「価値観を偽ってお金稼ぎのを優先させる人材」を見抜くことができます。

 

この採用方法は有名で、Zapposのカルチャーを特徴づけるエピソードとしてたびたびメディアや教科書に取り上げられています。

 

そんなところ、筆者もZapposのカスタマーサービスとはなんぞや、と興味がわいてきたので、何も買う予定はなかったですが、私自身直接電話してみることにしました。

 

ホームページを見て見ると、一番先に目が行く画面左上に、はっきりとカスタマーサービスの電話番号が目に入ってきます。

 

 

夜の10時30分。

 

 

黒人訛のあるヒップホップ調のトーンの社員が電話にでました。

 

社員「どうしたんだい?」

私「最近Zapposの本を読んでカスタマーサービスに興味を持ったから電話してみたんだけどいい?」

社員「もちろん全然いいぜ。ナイトシフトだし暇だからなんでも聞いてくれ。」

私「Zapposでは全員コールセンターを経験させられると聞いたけど、本当なの?」

社員「本当さ。俺もやったよ。」

私「今は何人が電話対応しているの?」

社員「今は合計16人だな。昼間は100人体制で、もっと賑やかなんだぜ。」

私「社長のトニーシェイには会ったことある?」

社員「もちろんさ。彼と写真をとって彼の顔の写真を拡大して目のところをくり抜いてトニーシェイマスクを作っていつもそれをかぶってるぜ~」

 

 

約30分間、Zapposとはどういう会社なのか、また少しプライベートなたわいもない会話をし、最後にはアカウントを作っている自分が居ました。

 

短い時間でしたが、話してみた感想は、

「なんでも話しやすい友達みたいな感覚で、とにかくマニュアルにとらわれない柔軟な対応をしてくれた」ということです。

まとめ

Zapposのビジネスモデルは、社員の幸せ→顧客の幸せです。そのモデルの基盤になっているのがカスタマーサービスで、社員と顧客を結ぶ重要な役割を果たしています。カルチャーは、そのカスタマーサービスに一貫性を与え、社員の共通理解を促す役割を果たしています。そしてそのカスタマーサービスの質を徹底することで、より多くの顧客に「WOW」を届け、それが口コミによって広がり、より多くの顧客を獲得することができています。 

これからMeryeselfも、ビジネスモデルにマッチしたカルチャーとはなんなのか、試行錯誤しながら作っていきたいと思っています。 

Kodai