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People Analytics の話

今回のポストは、MeryeselfでインターンをさせていただくことになったSUUが書かせていただきます。個人的に心理学に興味があるので、心理学を絡めた記事を書いていけたらと思っています。 

 

突然ですが、 

ブラットピット主演のマネーボールという映画をご存じでしょうか? 

 

お金のない弱小チームオークランドアスレチックスが、あらゆるデータを駆使して、最適な選手をスカウトし、戦略を立て、最終的には格上球団を破ってシリーズ優勝をする、という実際にあったサクセスストーリーです。このストーリーの一番の見どころは、なんといってもデータ分析です。最初は「選手はロボットじゃない」とか「なんでこんな選手を獲りたいのか」と、他のスカウト達から批判を受けながらも、データを冷静に信じて、弱小アスレチックスがじわじわと勝ち続けていく様は爽快です。 

 

ではこの話を、企業の採用に置き換えてみましょう。実はこの映画以降、サンフランシスコベイエリアの企業でも実際にそういった傾向が出てきているそうです。つまり、データを使って自分たちの求めているベストの人材を予測して採用していこうという動きです。 このような仕事をする人を、巷ではPeople Aalytics(人材分析担当?)といいます。

 

私が去年参加した産業組織心理学の授業に、実際にPeople Analytics という役職で仕事をしている人が講演をしに来てくれました。 

People Analytics という人たちの主な仕事内容は、 

  • 業務分析 
  • 採用 
  • 研究 
  • マーケティング 
  • セールス 

など多岐にわたりますが、これらに関わる問題をデータを使って解決していきます。 

 

彼は、People Analytics が近年になって注目され、かつ重要視されてきている理由に以下の三つをあげています。 

  1. 採用、人件費はリスク(コスト)が高い。 
  2. 主観的ではなく客観的であり、より正確。
  3. タレント発掘に最適。 

 

まさに、アスレチックスが行っていた理由と同じです。 

 

また、War for the Talent の記事でもあったように、今は優秀な労働者の前に列ができる時代です。そのような時代の流れを背景に、データはより確かな方法を示してくれます。

 

一つ注意をしておきたいことは、どの会社にも適した最高の人材を示してくれる法則などは、存在しないということです。それぞれの会社の方針にあった人材をまず特定して、それからデータの採り方を考えることがベストでしょう。 

 

例えば、講演に来てくださった方の会社では、「なるべく長く居てくれる人」を一番重視していると聞きました。すぐに辞めてしまう労働者は、かなりの痛手となるようです。どのようなデータをどのようにして採っているのかは、残念ながら企業秘密でした (クレジットカードの履歴を分析するところもあるとか)。  

 

 

では、どのような人がPeople Analytics をやるのでしょうか? 講演をしにきた彼は、もともと産業組織心理学で修士号を取っていました。ただやみくもにデータをとるのではなく、心理的なアプローチも加えてより意味のあるデータの採り方や解析の仕方ができるのは心理学者の長所でもあるでしょう。他に、データサイエンス、統計、数学で博士号を持つ人たちもよくいるようです。 

 

ちなみに、People Analytics という職種においては、修士号を取った者の年俸は軽く$100,000(日本円で1000万強)を超えるそうです。博士号を持った教授が「俺より稼いでる。。。」と嘆いていました。このようなスキルにいかに需要が出てきているのがわかりますね。 

 

 

 

人材・採用と結びつきの強い分野、産業組織心理学については、また後日触れたいと思います。 

仕事探しの時に大切にしたいこと

そろそろ本格的な就活の時期ということもあるので仕事探しの際に大切にしたいことおよびそれを考えるための自分や会社に問うべき質問に関して書いていければと思う。

 

今回のポストを書くにあたって非常に参考になったのが

The 5 patterns of extraordinary careers

という本である。

 

仕事探しに大切にしたいのはPassion, Strength, Peopleの三つに尽きる、と思う。

 

①Passion

 

なにに情熱を感じるか?本当にやりたいことは何か?

これを知るための質問は

「ありとあらゆる職業につけるとしたら、何になりたいか」

を考えて、

「つまりそれってどういうことか」

を考えることが大切だと思う。あらゆる制約がもしないのだとしたら、あなたは何になりたいのだろうか?何をしているときに幸せを感じられるのだろうか?それがstrengthとのバランスを考えて十分に仕事になることなのであれば仕事にすればいいし、そうでないのであればその理想の職業の要素をなるべく満たす仕事を探していけばいいと思う。

 

②Strength

 

あなたの強みは?スキルは?

これに関しては

Strength Finderというテストを受けてみたり、

自分がある特定のグループの中で一番優れていることを考えたり、

親や友達に長所短所を聞いたりするといい。

ある特定のグループの中というのは例えば

英語がまともに話せる日本人大学生の中だったら自分は一番株式投資が得意とか、

XX大学の学生の中だったら自分が一番ゴルフが上手い

といった考え方である。

この中の軸は最初は小さなコミュニティで全然構わない。少しづつその範囲を広げるようにプランを立てよう。例えば英語がまともに話せる大学生という点を一歩上に進めて、英語が特別上手に話せる大学生を目指すと。株式投資を他のアセットも含めた全般的な投資に拡大してみるとか。XX大学だけでなくてXXとYY大学に拡大するとかがやり方になる。そのためにできることをとにかく書き出して2時間程度でできる計画に変えて、何か必要なものがあるならば、お金を払って注文しよう。そうすると行動しなければいけないプレッシャーがかかる。結果行動まで持っていける確率があがる。

親や友達に長所短所を聞くのは結構恥ずかしいけれど、ものすごく参考になる。前の投稿でも書いたけれど自分って本当に自分の強みを認識しづらい。なぜなら得意ということは、できて当たり前だから。私も以前学校のキャリアカウンセリングセッションに行ってみたところ私のレジュメをみたコーチに

「あなたは、アメリカ人では無いのになんでこんなにアメリカでのインターンシップをゲットできたのか?」

と聞かれた。個人的には普通にいろいろ挑戦していただけなのだが、こうやって新しい人や組織との関係を作り、その関係を仕事のオファーという形にもっていくことこそビジネスデベロップメントだと。全く気づいていなかったけど確かにそうだなと気付かされた。掘ればかならず長所は出てくる。いろいろな人にインタビューしてみよう。

 

③People (Culture)

 

どんな人達と働きたいだろうか?

これは実はきちんと言語化するのはとても難しい。まずは過去に所属して自分が楽しくなおかつ成長(できないことができるようになること。できる速度が上がること)できたと思う組織がどんなところだっただろうかと考えてみよう。そして一番はいろいろな人に会って話してみるということが大切だと思う。その時に聞くといい質問としては

あなたの組織で去年一番評価されたひととされなかった人の特徴とその理由は?

あなたの組織で成功するには何が一番大切だろうか?

1年目の社員が「成功した」というにはどういったことが必要だろうか?

自分を採用してくれた人が同じ部署にとどまっている期間はどれくらいか?

といったところなのかなと思う。

そして自分の勘を信じること。何かちょっと違うなと思ったらばその勘を信じること。自分がこれだと思うキャリアと出会ったらこれだと思うもの。やらない理由を探すよりもやろうというワクワクを信じること。

 

以上の三つの中にはあまり給料や他人から見ていけてる仕事という判断基準は入れないほうがいい。常に自分の感覚を優先していってほしい。

 

メンタリングに関するレポートを読んで

 UC BerkeleyでPower and Politicsという超人気授業を行う教授のところにビジネスの打ち合わせに。ソフトスキルで答えの出しづらい質問にびしびし答える彼のコメントはいつも非常に参考になるし、弊社のビジネスに理論的な裏付けや助言を与えてくれています。

 今日紹介を受けたレポートがこれです(正直たくさん紹介を受けたのでどんどんアップいたします)。

The effects of similarity and liking in formal relationships between mentors and protégés

 企業内における正式なメンターメンティー関係において最終的にメンターとメンティー、つまり相談を受ける側とする側の好感度が両者の共通点によってどれくらい影響されているかについて書かれています。

とある保険会社の支店で行われたサーベイのデータを、Control Valuableを含めると6つの変数を使ってMultiple Regressionを用いて分析しています。

 かなり細かな分析なので詳細は添付ファイルをご覧いただきたいのですが、基本的に地元が一緒というのはメンターサイドのメンティーへの好感度をよりあげるますが、メンティーにとってはメンターほど重要ではない。深いレベルでの価値観(人間性、興味、職業観、個人の価値観、組織の課題に対する見方、問題への取り組み方)は双方にとって大切との内容です。

 その他、共に過ごした時間(特に会社による正式なプログラムでは重要)とか、やっている仕事の内容(立場によっては逆相関)などが挙げられています。

 弊社の設問は、なるべく深いレベルでの価値観を聞けるように設計をしています。

 

 

War For The Talentを読了

War For The Talentというマッキンゼーが2002年に行った人材に関する本を読みました。

日本とアメリカの雇用環境って全く違うと思いますが、1990年代のアメリカの雇用環境は実は結構今の日本と似ている部分もあるので、タイムラグがあって次第に日本とアメリカの雇用環境が似てくる可能性を考えると今読んでおくには素晴らしい本のような気がしました。

・以前は会社の前に労働者の列ができ、採用するという形だった。現在は優秀な労働者の側に列ができる。

・社員に訴えかける報酬だけにとどまらないEmployee Value Propositionをどうやって作っていくのか。

・採用に全社の優秀な社員を少なくとも毎月1日〜2日の時間コミットさせる。

・採用を全社の最優先課題にする。

などといった記載とその理由に関して書かれていました。

 それぞれのポジションに対してどういった価値を伝えることで採用していくかということを細かく分けて規定し、マーケティング戦略と同じだけの時間をかけて採用ストラテジーを作っていく。なかなか出来ていないプロセスだとは思いますがマーケティングで戦略を作っているのと同様人材獲得にもそのプロセスが大事なのは当然だなと思いました。

 

最後にとある採用戦略に優れた会社のCEOが言っていた採用に重視するポイントがとても心に残ったので記しておきます。

採用の際、最も大事なのは

誠意、次がモチベーション、そして能力、理解力、知識、最後が経験。知識や経験は簡単に蓄積することができるから。

ドラッカーの

マネージャーに最も大切な資質は真摯さである

という言葉にも通ずるような印象をうけました。

 

 

 

 

 

 

Grit = ハイパフォーマーの持つ共通の性質

成功する人に共通する鍵はなんなのかを士官学校や小学校やセールスマンのパフォーマンスなどを通じて研究しているAngela Lee氏のTEDです。


Angela Lee Duckworth: The key to success? Grit - YouTube

研究の結果、出自や学歴よりも、パフォーマンスとの相関の高かった共通の性質は「Grit=ひとつのロングタームのゴールに向かって努力し続けられる性質」だそうです。

どこに向かうかという大きなゴールを決めてずっとそこに走り続けるスタミナ。

「粘り強い人」というのは採用の中でみたいポイントにされている方は多いと思います。

また入社後でも、社員の方々のゴールに向かって努力を続けられるスタミナを生み出すためには、明確なゴールを常に話しながら築いていくこと、仕事の集中できる環境を整えるといった当たり前のことが大切だと思っています。

https://www.youtube.com/watch?v=H14bBuluwB8&feature=youtu.be

あなたの意見OR社会の意見? メンタリングをする際のポイント

就活に関する話をするときに、

「世の中のためになるようなことがしたい」

という話をよく聞きます。そして自分も初めての就活をした時の自分探しノートにそんなことを書いていました。

 

その熱い思いはとてもとても大切で、必ずそう思う理由となる潜在的な価値観は醸成されていると思っています。

 

ただ自分の価値観を見つけるときに大切なのは、

「これは私の意見なのか、それとも社会の意見、つまり社会的にいいと言われていること、なのかを判別していくこと」

だと思っています。世の中のために全くならなくてもやりたいってことがあるなら(一応法律の範囲内であれば)価値観・コアバリューがそこから導かれる可能性が高いと思っています。

義理の母が言っていてハッとしたのは、

「押入れの中で、やるなと言っていたのに子供がやっていること。それがその子が一番すきなことですよ。」

自分には無いと思っても、子供のころやっていたことを振り返り話してみるとみんないくつか出てくる。そこにコアバリューのヒントがあるような気がします。

メンタリング?ロールモデル?

Meryeselfのサービスですがメンター/メンティーとして長い間コミットする関係を目指しているのかという質問を受けました。

 

答えはYes and Noです(あいまいな答えですいません)。

 

まず私たちのサービスでは自分の価値観に近い人をご紹介いたします。

その方と話す期間は最初30分目安です。

それまでに、

・自分が楽しかったこと

・逆に悔しかったこと、怒ったこと

の経験をいくつか書き出してみてください。その中でなんでそう思うのかっていうことをさらに書き出してみてください。その話をする中でメンターさんと自分の違いを感じていただきたいです。

自分の大好きなことや当たり前にやっていることは実は自分自身では無意識でやっていて気づかないことが多かったりします。また大まかにわかっていても同じようなことが好きな人との比較で自分はAのBという部分は好きだけどCは実はそんなに好きではないということがわかってきます。その比較の中に自分の価値観やそれを形成している原体験のヒントが隠れていることが多いです。

そういった議論を自分のキャリアを考えている中で30分でも客観的な人ですが自分の価値観にある程度近い人とすると、自分のキャリアの方向性が見えてくる可能性が高いと考えています。

そのあとまた自分と向き合い、何が好きか嫌いかノートに書いてもいいし、振り返るというプロセスに戻るという流れです。なのでメンターさんとの関係は30分で終わることもあるでしょうし、また同じ人にお願いしたいこともあるでしょう、また他の方と話してみるという選択肢もあり得ると思います(現在のサービスではここまでは対応できておりません)。

個人的には長いコミットというよりもこうした自分の振り返り→価値観の近い人との確認を繰り返すことが重要なのではないかと考えています。

 

長い間コミットが必要かというと必ずしも同じ人と長い間メンタリングをする必要はないと思っています。それよりも自分自身に取り組むという緊急度が低いけど極めて重要度が高いことを長く続けていることの方が大切だと思っています。